私は小さい頃から親の顔色をうかがい、親が不機嫌にならないようにふるまうことが癖になっていました。
そして、気づいたら「断れない」大人になっていました。
バイトの残業が断れない、必要のない新聞や高額エステの勧誘を断れない、お金を貸して欲しいと言われて断れない……
都合よくつかわれて、疲弊して、それでもニコニコ笑ってる。
今考えるとバカみたいですが、私には断ることができなかったのです。
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【断ることが苦手な理由】
なぜ断ることができなかったのか。
それは、小さい頃から、親から言われたことを断る(もしくは自分の意思を伝える)と、自分が否定されてきたからだと思っています。
私は「断ることは相手を否定すること」であり、「断られることは相手から否定されること」だと思っていました。
親からの否定は生死に関わることだから、否定されることは怖いことだと認識してしまう。
だから、自分が否定したくても相手に同情してしまったり、逆に否定されるのが怖くてできない。
そして、いざ勧誘に遭遇すると
「断ったら申し訳ないな」
「断ったら不機嫌させてしまうかな」
「断ったら嫌われてしまうかな」
そんな思いが交錯して、断れないのです。
私自身はお金で済んだけど、労働の搾取や性的な強要を断れないケースもあると思います。
子供時代には親の都合よく育てられ、社会に出ると他人に都合よくつかわれる。
そんな人生は、とってもつらいですよね。
【脱・毒親育ちを感じた、勧誘を無視したこと】
断ることが苦手だった私ですが、先日スーパーに行った時のこと。
ちょうど日曜日で、食品売り場にはお惣菜屋さんの催事が出店していました。
カゴを持って歩く私に、へばりつくように話しかけてくる店員。
今までの私であれば、愛想よく相槌をしたり、仕方なく買ってあげたり(実は買わされてるのに)していたと思います。
でも、その日はちがった。
完全無視。
それも「よぅし、無視するぞ!無視!」と意気込んでいたわけじゃなく、気づいたら視界と音声を遮断して無視していた、という感じ。
自分でも驚きました。
「私は商品に興味がないし、それでどう思われようと私には関係ない。」
「その商品が売れなくても、私には関係ない。」
そういう考え方が無意識にできたってことだから。
店員さんは、それ以上寄って来ず、別のターゲットへ。
私はモヤモヤすることなく、自分のほしいものだけを買って帰りました。
……うん、生きづらくない!
【勧誘は言葉で断るよりも無視するほうがいい】
ここでふと気づいたのですが、私は、言葉で断るよりも、無視することのほうが苦手だったかもしれません。
言葉で断る時は、こびへつらったり、謝ったりすれば、嫌われなくて済む。
でも、無視したら相手にきっと嫌われる……!
それが怖くて、無視できなかったんだと思います。
弱みにつけ入る人は、そういうところを見抜いている。
無視できない人は弱い、と。
そして、罪悪感を与えたり脅しをかけたりするなどして、断れない状況を作ります。
「人助けのつもりで買ってください」
「今買わないと損しますよ」
などはよくあるフレーズですが、心理的に不安になるように選ばれた言葉なのです。
それでも断れば、最後は傷つけるような捨てゼリフを言われることも。
嫌われないようにふるまう結果、自分が傷ついてしまうなら、それはいいこととは言えないですね。
最初から無視していれば、相手は二言目をかけるきっかけをつかむことができず、それ以上口を開くことができなくなります。
早々にあきらめて別の人に行かせてあげたほうが、お互いにとっていい。
だから、無視ってそんなに悪いことじゃないんですよ。
【小さな練習の繰り返しで断り上手を目指す】
毒親育ちの人が断るのが苦手なのは、小さい頃から断る経験をさせてもらえず、受け入れることのほうを多く強要されてきたからだと思います。
単純に断ることに慣れてないのです。
だから、断ることができるようになるには、小さな練習をたくさん繰り返すことが大事。
私自身は、
- 街で配ってるチラシやティッシュを断る
- 気乗りしないイベントのお誘いを断る
- 飼い犬を触ろうとする人を断る
- ネットの乗り換えを勧められて断る
- 親からの荷物を断る(受取拒否しました。)
などなど、たくさんの断る経験をしてきました。
結果として、世界から嫌われて孤立したかと言ったら、全然そんなことは起こりませんでした。
むしろ、自分の時間やお金を自分のために使えて満足していますし、そういう感覚が「自己肯定感」なんだろうなと思っています。
時々は「今の断り方はミスったな」と思うこともあり、まだまだ練習の途中ですが、回数こなせばだんだんうまくなるというのは、何でも同じ。
自分が自分をあきらめないってことが一番大切だと思います。
断り上手を目指しつつ、楽しい人生にしましょうね。