【レビュー】大鶴和江 著『自分を縛る”禁止令”を解く方法』

大鶴和江 著『自分を縛る"禁止令"を解く方法』 表紙

じゃばみです。

私は、これまで何度も仕事を辞めてきて、今や働くことを諦めてしまった人間です。

頼まれたことは完璧にこなすよう自分を追い詰め、できなければ罪悪感と自責の念にかられる。

仕事中だけならまだしも、仕事とプライベートの切り替えがうまくできず、休日にも思うように休めないので、限界までストレスをためてしまうのです。

何度も仕事を辞めてきたので、社会的には劣等生ですが、こんな私でもかつては周囲から「優等生」と言われる子供でした。

私には休日など関係なく、毎日勉強のノルマが課され、それをこなさなければ自由は許されず、時には友達の家にまで親が押しかけるなんてこともあり。

テストの成績がよくないと罵倒されるのに、良い成績でも褒められるわけでもなく、優秀な兄と比較され「もっと頑張れ」と言われました。

そういった経験から、私は長い間「自分には価値がない」という思い込みを抱いて生きてきました。

この本と出会ったのは、自分を変えたいと図書館に通い始めた時。

かなり実用的な内容で、毒親育ち克服に役立つと思ったので、この記事でご紹介します。


【おおまかな内容】

の本には、上記の私のような「頑張りすぎてしまう”負けられない”女性」の他、「自分のことを自分で決められない男性」や「ダメな男性ばかりを好きになってしまう女性」「自分のことがわからない女性」など、カウンセリングの具体例が紹介されています。

そして、その原因を「禁止令」「損得」「ダブルバインド」といった幼少期に刷り込まれたものとし、それらを分析することが解決に近づく方法だとしています。

メンタル系の本は、スピリチュアルに傾倒するものも多く(そういう本のほうが読みやすいんですが)、説得力に欠けるんですが、この本はかなり論理的で、説得力があるし、根本的な解決に役立つと私は思います。

その分、以下のような厳しいことも書いてあります。

ですが、問題が自分の心の中の葛藤であるならば、自分が主体者として解決するしかないのです。外側に答えはありません。

大鶴和江 著『自分を縛る”禁止令”を解く方法』p.106

併せて、解決を他人頼りにすると、カウンセリングやセラピー自体が「依存の強化」につながってしまう、ということも書かれていました。

過去のことも含めて、自分自身と向き合うことは、なかなかしんどいことです。

カウンセリングなどプロの手を借りたほうがいい場合もあると思います。

でも、私自身、自分と向き合えるようになったらかなり生きやすくなったので、大切なことだと思います。


【印象的だった文章】

に印象的だった部分を引用でご紹介します。

自分の感情や感覚を言葉で表現することは、自分に気づくこと。

問題解決にとって「自分を言語化」するのはとても重要なことなのです。

大鶴和江 著『自分を縛る”禁止令”を解く方法』p.125

私自身、「わからないからまぁいっか」と、自分の気持ちをうやむやにした結果、多くの自己犠牲を払って、疲弊するばかりでした。

少しでもモヤっとしたら立ち止まって、気持ちを言語化するようにしたところ、「断るべきところは断る」「休むべきところは休む」ということができるようになりました。

言語化、本当に大切だと思います。

ありのままの自分は、見たくない本当の自分を自分が受け入れるものであり、他人に受け入れてもらうものではありません。

大鶴和江 著『自分を縛る”禁止令”を解く方法』p.166

毒親育ちを克服したいと思い立った時、私は「完璧な自分」を目指して、筋トレをしたり、読書をしたりして、かなり頑張っていました。

もちろん、努力することで身についた自信はありますが、年齢も重ねてしまったし、努力ではカバーできないものがあると感じた時に、「自分はやっぱりダメなんだ」と挫折しそうになりました。

「完璧な自分でいなければ、きっと母に見下される」と内心に恐怖を抱いていたんだと思います。

だから、この文章を読んで、母の考えがどうであれ、うまくいってる部分もそうでない部分も、それが自分だしそれでいいんだ、と思うことにしました。

そうして初めて、息苦しかった日常から解放されたと思います。

頑張ってもいいし、頑張らなくてもいいよ。あなたは自由に選べる

大鶴和江 著『自分を縛る”禁止令”を解く方法』p.185

頑張りすぎている時、それでも「頑張らなきゃ」と思うクセがついたのは幼少時代だけど、そう思い込んでいるのは今の自分。

私自身、気づいたら前のめりに頑張ってしまうところがあるので、この言葉をいつも思い出して無理しないようにしています。

他にも、「自分を生きても死んだりしないよ」など、自分が自分に対して課している禁止令とその背景にある恐怖を打ち消すためのワークが紹介されています。


【毒親育ちを克服したい人におすすめ】

の本の著者、大鶴和江氏自身も、児童擁護施設で育つ中でトラウマを抱え、自分と向き合ってきたという過去があります。

当事者だからこその「わかってくれてる」感があって、自分と置き換えて読める部分がたくさんありました。

過去の自分と向き合うための具体的なワークなども載っているので、実践してみると、毒親育ちを克服するのに役立つと思います。

おすすめの1冊です。

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