【レビュー】岸見一郎・古賀史健著『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』

嫌われる勇気

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【この本との出会い】

の本と出会った時、私は生きづらいのは自分に問題があるからだと考え、自己啓発系の本を片っ端から読み漁っていました。

人の顔色をうかがい、人に嫌われないようにふるまうことが日常だった私にとって、『嫌われる勇気』というタイトルはかなり衝撃的で、手に取るにも勇気がいったのを覚えています。

この本はネットでおすすめしている人がいたので読んでみたのですが、ポロポロと目から鱗が落ちるような感覚で読みました。

毒親育ちの力になってくれる本だと思うので、この記事でご紹介します。


【本の内容】

人公の青年が「誰もが幸福になれる」と説く哲学者を論破してやろう、と哲学者を訪れるというところからストーリーが展開。

オーストリア出身の精神科医アルフレッド・アドラーの思想をもとに、青年と哲学者が対話を繰り広げるという、物語になっています。

主人公は、幼い頃から兄と比較され虐げられて育ち、親から認めてもらいたいという承認欲求を強く持っている青年。

この主人公の生い立ちがまさに私と重なっていたので、青年の懐疑的な考え方にも共感でき、私自身が哲学者と話をしているような感覚で読み進められました。


【アダルトチルドレンに響く言葉】

でも、印象的だった言葉をいくつか引用してご紹介します。

なぜなら、あなたは自分を愛することができていない。そして自分を愛するための手段として、「別人への生まれ変わり」を望んでいる。

『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』p.43

私は時々「リセット症候群」になり、仕事も人間関係も何度もシャットアウトしてきました。

自分としてはリセットしたつもりでも、実際に人生はリセットもできないし、別人にもなれない。

人生とは地続きのものだということを思い知らされました。

いまのあなたが不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだからなのです。

『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』p.45

私自身、「毒親育ちだから自分はこんな性格で、対人もうまくいかなくて、不幸なんだ」と思っていました。

裏を返せば「毒親育ちだから……」ということを、自分が変わろうと努力しない言い訳にしていただけだったのです。

ここまで読んだら正論すぎて、正直、心が痛くて泣きながら読み進めたほどです。

主人公の青年も動揺しながら、それでも対話を続けていきます。

なぜあなたは自分が嫌いなのか?なぜ短所ばかり見つめ、自分を好きにならないでおこうとしているのか?それはあなたが他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に怖れているからなのです。

『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』p.68

私自身、人から嫌われるのが怖くて、相手に気をつかいすぎていつも疲れていました。

もし変われるなら変わりたい、そして幸せになりたい。

主人公の青年と同じように、私も対人関係の解決の糸口を哲学者に求めながら読み進めます。

世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない。

『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』p.281

大企業に入ったら、大きな成功をして有名になったら、巨万の富を得たら……

親からもそのように言われてきたし、そういった外的要因がなければ幸せになれないと思っていた私。

でも、この本を最後まで読んだら、そんなものはなくても、幸せになるためのヒントがつかめたような気がします。


【毒親育ち克服のきっかけをくれる本】

上のように、毒親育ちの私には刺さりまくる内容で、私自身、この本にある通り、考え方を改めたことで、時間はかかったけど確実に人生が変わりました。

人の言うことがいちいち気にならなくなったし、人生を深刻に考えすぎなくなった。

平たく言うと、生きづらくなくなったのです。

毒親育ちならではの生きづらさを感じている人に、おすすめしたい1冊です。

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