【私は母の愚痴聞き役】
私が大学進学を機に実家を離れてから、母からはたびたび電話がかかってきました。
あまりに電話が多いこともストレスに感じていたけど、もっとストレスだったのは毎回聞かされる、母からの愚痴。
仕事の愚痴に始まり、親戚やご近所の悪口など聞いていて疲れる話ばかり。
話題を変えようとしても、すぐに自分の話にすり替えてしまう。
電話を切った後も、もやもやと重たい気持ちを引きずることが多かったです。
私は愚痴を聞くことで、母のストレスを軽減できるかもしれないし、いいアドバイスができるかもしれない、と考えていました。
でも、その姿勢が母をますます甘えさせていたことに後から気づきました。
愚痴を言いたい人は、アドバイスなんか求めていません。
私の経験上、ただの「ひまつぶし」です。
私が耳を貸すから、母は愚痴を話したくなる。
原因は私にあったのです。
【要求吠えには「無視」が効果的】
ちなみに犬は、かまってほしい時や、おなかが空いた時など、飼い主に何かを催促するために吠えることがあります。
それが「要求吠え」です。
甘やかして催促に応じていると、それが成功体験になって「吠える=言うことを聞いてもらえる」と学習してしまい、要求を叶えるためにしつこく吠えるような犬になってしまいます。
どうでしょう、毎回親の愚痴を聞いてあげていると、しつこく愚痴電話をかけてくるようになるのと似ていませんか。
犬の要求吠えをやめさせるためには、「無視」することが効果的です。
吠えてもムダだとわかってもらうのです。
同じことが、親からの愚痴電話にも言えると思います。
【愚痴の聞き役にならないためのトレーニング】
それでも、親の電話を無視することはできない、と思う人もいますよね。
そこで、愚痴の聞き役にならないためのトレーニングを考えてみました。
1. 自分の感情に気づき、受け入れる
愚痴をさえぎることができず、つい相手のペースに巻き込まれてしまう人は、もしかしたら自分の感情に気づきにくいのかもしれません。
愚痴が始まって、瞬時に「不快だ」と気づくことができれば、相手が調子付く前に対処することができます。
話し込む前であれば、相手もさほど不快にはならないでしょう。
自分の感情に気づくには、日常生活の中で今自分がどんな感情かを考えるクセをつけるといいです。
たとえば、以下のような感じです。
・公園の横を通ったら、子供がたくさん遊んでいる
→私には子供がいないから、苦痛だな
→ギャーギャーとうるさい、不快だな
→子供を見ているだけで癒されるな
時と場合によっていろんな感情が起こると思いますが、そのこと自体に善悪はありません。
「自分は心がせまい人間だ」などと自分を責める必要はないので、とりあえず頭に思い浮かぶそのままを受け入れます。
もし苦痛だ・不快だと感じたなら、目を背けて足早に通り過ぎるなど、回避する行動に出ると思いますが、そういう自分を認め、褒めてあげます。(他人に危害を加えたりするのはもちろんダメですよ。)
「私は私の心を守るための正しい行動ができた!エライ!」
という感じです。
これができるようになったら、愚痴電話を断ることもできるようになると思います。
2. 愚痴が始まったら会話を終えるシミュレーションをする
いざ愚痴が始まった時のために、電話を終えるためのシミュレーションをしておきましょう。
「愚痴なら聞きたくないから電話切るね」
「それを聞いてもどうしようもできないから、ちがう話をしよう」
など、あらかじめ言葉を決めておくとスムーズです。
逆ギレや泣き落としの心配があるかもしれませんが、「聞きたくない」という姿勢を貫きましょう。
「愚痴を聞いてくれないんだ」と認識されれば、親からの電話の回数自体も減るかもしれません。
実際、私の母は、私には電話をしょっちゅうしてきたのに、兄にはほとんど電話してなかったですから。
兄は愚痴を聞いてくれない人、私は愚痴を聞いてくれる人、と認識していたのでしょう。
3. 電話はこちらからかける
電話をかけてくるタイミングは突然のことが多いと思いますが、すぐに電話には出ず、こちらからかけ直すようにします。
「ひまじゃないんだ」という印象づけをしておけば、会話の内容をより重要なものに限定するようになるかもしれません。
【愚痴を聞くと親の寿命が短くなる】
ちなみに、愚痴や悪口を言うと、脳内では快楽物質である「ドーパミン」が放出されると同時にアドレナリンやコルチゾールなどのストレス物質も放出されるそう。
認知症のリスクが高まるなど、寿命が短くなるような研究もされています。(興味があれば調べてみてね。)
つまり、親の愚痴を聞くことが親の寿命を短くすることになる、ということです。
愚痴を聞くメリットなんか1つもないってことですね。
これからはどんどん断りましょうね。