目次
【私は母の愚痴聞き役だった】
私が大学進学を機に実家を離れてから、母からは頻繁に電話がかかってきました。
あまりに電話が多いこともストレスに感じていたけど、もっとストレスだったのは毎回聞かされる、母からの愚痴。
仕事の愚痴に始まり、親戚からああ言われただの、ご近所でこんないやなことがあっただの・・・聞いていて疲れる話ばかり。
話題を変えようとしても、すぐに自分の話にすり替えてしまう。
電話を切った後も、もやもやと重たい気持ちを引きずることが多かったです。
【愚痴に付き合わないためにすべきこと】
私は愚痴を聞くことで、母のストレスを軽減できるかもしれないし、いいアドバイスができるかもしれない、と考えていました。
でも、その姿勢が母をますます甘えさせていたことに後から気づきました。
愚痴を言いたい人は、アドバイスなんか求めてない。
ただ「うんうん」と話を聞いてくれるはけ口として相手を利用したいだけの「かまってちゃん」なのです。
私が耳を貸すから、母は愚痴を話したくなる。
原因は私にあったのです。
「そんなこと言ったって、母が勝手にしゃべり始めるからしょうがない」
過去の私だったら、そのように反論していたでしょう。
では、どうして私は、愚痴をさえぎって電話を切ることができなかったのでしょうか。
そこに、私の「そんなことできるわけない」という思い込みが隠れていたのです。
【母を拒否することへのメンタルブロック】
なぜ私は、「そんなことできるわけない」と思い込んでいたか。
最初は、私は自分の母に「情」があるからだと思っていました。
でも、それは違うと今なら言えます。
私に母を否定することへのメンタルブロックがあったからです。
小さい頃から母の機嫌を損ねないように生かされてきた私は、無意識にも「母を拒否してはいけない」と思い込んでいたのです。
その背景には、母自身の「娘に嫌われたくない」という強い強迫観念があったんでしょうけどね。
だから、私は愚痴なんか聞きたくないと思っていながら、母を拒否することができなかったのです。
その後、私は母と絶交をしたので愚痴を聞くこともなくなりましたが、それは究極の「拒否」ですよね。
私の我慢が臨界点を超えたのです。
そうなるまで我慢しなくても、自分を変えることができれば、愚痴に付き合わされることはなくなります。
では、どうしたら自分を変えられるか、私の考えた方法を以下に書いておきます。
【愚痴の聞き役にならないためのトレーニング】
1. 自分の感情に気づき、受け入れる
つい愚痴を聞いてしまう人は、もしかしたら自分の感情に気づきにくいのかもしれません。
もし愚痴が始まって、瞬時に「不快だ」と気づくことができれば、相手が調子付く前に対処することができます。
話し込む前であれば、相手もさほど不快にはならないでしょう。
自分の感情に気づくには、日常生活の中で今自分がどんな感情かを考えるクセをつけるといいでしょう。
たとえば、以下のような感じです。
・公園の横を通ったら、子供がたくさん遊んでいる
→私には子供がいないから、苦痛だな
→ギャーギャーとうるさい、不快だな
→子供を見ているだけで癒されるな
時と場合によっていろんな感情が起こると思いますが、そのこと自体に善悪はありません。
「自分は心がせまい人間だ」などと自分を責める必要はないので、とりあえず頭に思い浮かぶそのままを受け入れます。
もし苦痛だ・不快だと感じたなら、目を背けて足早に通り過ぎるなど、回避する行動に出ると思いますが、そういう自分を認め、褒めてあげます。(他人に危害を加えたりするのはもちろんダメですよ。)
「私は私の心を守るための正しい行動ができた!エライ!」
という感じです。
これができるようになったら、愚痴電話を断ることもできるようになると思います。
2. 愚痴が始まったら会話を終えるシミュレーションをする
いざ愚痴が始まった時のために、電話を終えるためのシミュレーションをしておきましょう。
「愚痴なら聞きたくないから電話切るね」
「それを聞いてもどうしようもできないから、ちがう話をしよう」
など、あらかじめ言葉を決めておくとスムーズです。
逆ギレや泣き落としの心配があるかもしれませんが、「私にはどうしようもできないから聞きたくない」という姿勢を貫きましょう。
むしろ、愚痴を聞くことで、親が自分で自分の感情を整理する機会を失うことになり、親のためにもなりません。
3. 電話はこちらからかける
母親なら電話をかけてくるタイミングは突然のことが多いと思いますが、すぐに電話には出ず、こちらからかけ直すようにします。
すると、少なくとも母親は「ひまじゃないんだ」という意識になり、会話の内容をより重要なものに限定するようになるでしょう。
4. 愚痴が始まったら電話を終える
犬のしつけに関して言えば、じゃれ咬みをしてきたら無視をすることで、咬んだらつまらないことが起きるということを学習させます。
同じように、「愚痴を話せば電話が終わる」ということを繰り返し行えばいいのです。
会話の中で不快な愚痴を察知したら、シミュレーション通り会話を中断し、電話を切りましょう。
娘は愚痴を聞いてくれないんだ、と認識されれば、母親からの電話の回数自体も減るかもしれません。
実際、私の母は、私には電話をしょっちゅうしてきたのに、兄にはほとんど電話してなかったですから。
兄は愚痴を聞いてくれない人、私は愚痴を聞いてくれる人、と認識していたのでしょう。
【自分を守れるのは自分だけ】
愚痴を言われやすい人は、やさしい人だとフォローされたりしますが、単に相手にマウントをとられているだけです。
愚痴を言う人のことを変えることはできません。
変えられるのは自分だけです。
ぜひ上のトレーニングで、愚痴を言われやすい人を脱却して、幸せな暮らしを手に入れてください。