私の母は、私が進学で家を出てからずっと荷物を送り続けてきました。
もちろん、お金のない時には助かることもあったけど、別に必要ではないのに消費しきれないほどの荷物が私には苦痛だった。
20年にわたって母は私に荷物を送ってきたけど、私は荷物を受け取り拒否することに。
この記事で、そうすることにした経緯をご紹介します。
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【荷物を送ってくる親の心理】
そもそも、なぜ親は荷物を送ってくるのか。
親に聞けば「あなたのためだ」と言うに決まっているけど、きっと本音は「いつまでも私に価値を与えてほしい」という母自身の承認欲求だ。
私の母は、過干渉かつネグレクトだった。
朝から晩まで仕事や趣味で家を空けておきながら、顔を合わせれば「勉強しろ」と声を荒げる。
そんな母を、周りの大人は「一生懸命なお母さんだ」と評価し、それがさらに母をエスカレートさせた。
成績が悪いと、母は不安定になり、かんしゃくを起こす。
私はそんな母に萎縮しながら暮らすしかなかった。
そうして私を支配することでしか、母には自分のメンタルを安定させる術がなかったのだと思う。
本来は子どもに安心感や自信を与えるべき親が、子どもに安心感や自信を依存する、といういい例だ。
その後、私は難関大学へ行くという役目を果たし、家を出た。
ところが、それで困るのは母。
健全な母親なら、子どもに向けていた意識を再び自分の人生に向け、さらなる自己実現に向けて生活を充実させていくと思う。
しかし、自分の安心感や自信を子に依存していた母にはそれができない。
そこで、いつまでも「一生懸命なお母さん」でいるために、荷物をせっせと送るようになる。
【親は荷物で子をコントロールする】
他人に相談すれば、
「いいお母さんじゃないの!感謝しなきゃダメよ!」
と必ず言われる。
でも、それを鵜呑みにしてはいけない。
本当にいいお母さんだと心から思っているなら、荷物が送られてきてモヤッとするはずがない。
その荷物の背景にある「まだまだあなたを利用させてもらうからね」という暗黙の束縛に、心が反応しているから苦痛に感じるのだと思う。
そこで、私が「量を少なくしてほしい」とか「今はいらない」と言うと、母は逆ギレ。
「もう送ってあげない」と脅したり「どれだけあなたのことを思っているか」と罪悪感を与えようとする。
私は、荷物を受け取るという選択肢以外は許されないように思いました。
私がこんな風に客観的に考えられるようになったのは親と絶交し、いろんな考察を繰り返してきたから。
そこで気づいたのは、「感謝しなきゃ」とか「悲しませたらいけない」とか、そんな強迫観念にとらわれて、自分を押さえつけ母の機嫌を損ねないことばかりを選んできたってこと。
荷物のことだけじゃない。
人生のすべてにおいて、私は母に都合よくコントロールされてきたんだ、と思い、愕然としました。
【親の荷物を受け取り拒否するまで】

それでも、親の荷物を受け取り拒否するのは、簡単なことではありませんでした。
感謝すべきなのにできない、親は悲しむのでは、これから先どうなるんだろう……。
罪悪感や不安がメンタルブロックとなって、強い抵抗を感じてしまうのです。
以下に書いたことは、私が受け取り拒否をするまでを時系列に並べたもの。
結果的には抵抗感が少ないことから行ったことになりますが、同じような手順で、メンタルブロックを少しずつ解除していけば、受け取り拒否をする自分に許可を出すことができると思います。
※あくまでも親からの荷物が悪いのではなく、「受け取りたくない」と思っているのにそうすることのできない状況が問題なんだと言うことを付け加えておきます。
荷物を断る
実家に帰省中の暴言をきっかけに絶交するも、荷物はずっと送られてきていました。
荷物がくるたびに動悸がするので、自分としてはかなりの勇気をふりしぼって強い口調で母に断りのLINEを入れました。
母からは「産んだことも忘れます」と返事があり、以降、半年ほどは荷物に悩まされることから解放されました。
半年後、未曾有のコロナ禍で緊急事態宣言が出された時、また荷物が送られてきました。
この時ばかりは、さすがに融和ムードになり、電話をしたことで関係が復活。
そのことが私は心から嬉しかったし、もう大丈夫だと思ったけど、また荷物の話になった時に、強引に送ってこようとする態度でフラッシュバック。
以前よりも強烈な拒否感を抱いてしまい、再び絶交をすることになりました。
送られた荷物を捨てる
それでも荷物は送られてくる。
「食べ物を粗末にしてはいけない」と、無理して消費していました。
どこかで「せっかく送ってくれている親の気持ちを裏切ってはいけない」という気持ちもあった。
そんなことを続けていたら、最終的には、夕食として食べようとした時に涙があふれて止まらない。
見かねた夫に「もう捨てたら?」と声をかけられ、荷物を捨てる決心をしました。
荷物を捨てたら、吹っ切れた、というか、我にかえったというか。
なぜ私は、いやなものをいやだと言ってはいけなかったのだろう?
なぜ私は、押し付けられるままに受け入れなければいけなかったのだろう?
これまでの自分のあり方に疑問を抱くようになりました。
そもそも、もらった荷物を捨てようがどうしようが、私の自由。
それを許さなかったのは、荷物を送ってきた親ではなく、自分だったということに気づきました。
親からの荷物を受け取り拒否する
親は、私が荷物を捨てたことを知らないから、きっとまた送ってくる。
荷物を捨てたことで「次に荷物が来たら受け取り拒否にしよう」という意志が芽生えました。
もう私はあなたのごきげん取りはしない。
自分のことは自分でできる。
荷物の受け取り拒否が「決意表明」のように思えて、なんだかワクワク。
こんなに親からの荷物をワクワクして待ったのは、この時が最初で最後だと思います。
それから1ヶ月後。
荷物を届けに来たゆうパックの配達員さんに、用意していた「受け取り拒否」と書いた紙を渡したら、あっけなく拒否できてしまった。
あんなに思い悩んでた時間は何だったんだろうと思うほど。
2022年の11月のことでした。
私が親との絶交を決めたのが2019年の5月、それから荷物を受け取り拒否するまでに3年半もの月日が流れていました。
長かった。
親を愛しているからこそ、親の手を突っぱねて自分の人生を歩むことをあきらめていたんだ。
そんな自分を、誰が責められる?
私はすごくいい子なんだ、もうじゅうぶん、よくやったよ。
そんな風に、自分を褒めてあげられたのは初めてかもしれない。
自分を大切にする生き方って、そういうことなんだと、わかった瞬間でした。
【いらないという気持ちを大切に】
今この記事を読んでいるあなたは、親から送られてくる荷物にモヤモヤしているから、検索してこの記事を読みに来てくれたのだと思います。
荷物はいらないけど、断れば人間関係に亀裂が入るかもしれない。
それはすごく怖いことだし、できたら避けたいと思うのも無理はありません。
だからこそ、意識しておきたいのは、あなたが「いらない」という気持ちに罪悪感を感じる必要はない、ということ。
それは、あなたの本心だから、変えようのない事実。
それを悪いことにして、感じないように押さえつけるからモヤモヤしてしまうのです。
同じように他の場面でも、「嫌い」「してほしくない」「私はいやだ」という感情にふたをして、自分を押さえつけることをしていませんか?
もし人生に生きづらさを感じているとすれば、解決するヒントはそこにあります。
いらない荷物は、あなたにそのことを気づかせようとしているのかもしれません。
クリスマスイブの前日に、離れて暮らす70代の親からいきなり送られてきた食品、日用品。
前にも「もういいから」と断っているのに、本当に迷惑なのです。
父とは年に数回会う良好な関係ですが、母とは子供の頃に受けた仕打ちが原因で10年以上疎遠にしています。
母が選んだであろう可愛らしい雑貨を見ると嫌悪感しかなく、ゴミ箱に押し込んで処分しています。
年老いて、私を介護要員にしたくて媚び出したのか?
最近送り物が増えて、相手の心理が読めず気味が悪く、こちらのサイトにたどり着きました。
貧しい暮らしをしているわけでもないのに、ティッシュやカップスープなどの生活感あふれるものを送ってきて、なんだか惨めな気持ちになります。
はっきりと断りたいのに「ありがとう〜」としか言えない自分にも嫌悪感を覚えます。
お返事が遅くなり、ごめんなさい!
コメントありがとうございます。
心の寂しさや不安から、迷惑と言われても送り物をしなくては気が済まない…そういう心理でしょうか。
将来の介護が…というのもあるかと思いますが、一時的な感情の高まりでいてもたってもいられなくなった、ということも考えられます。
断れないことに自己嫌悪する必要は私はありません、逆に私はコメントを読んですごいな〜と思いました。
というのも、受け取った上で、自分がいらないものはきちんと選別され、ご自身の気持ちを保つよう行動できているから。
私はそれができずに長いこと苦しんだので。。
断っても送ってくるし、悲しむそぶりをしたりするし、振り回されてしまいますよね。
幼児が駄々をこねたり、嘘泣きをしたりするようなものかな、と思っていますが、
幼児と違って親には改善の見込みはないので、それを手なずけるか、放っておくか、遮断するかは、子が選べばいいと思っています。